眩暈の追求

ochanoma_のブログ

2021年に聴いてよかった曲

2021年に聴いてよかった曲のまとめと感想です。音楽のことは詳しくないから雰囲気で書いています。2021年に出た曲ではなく2021年に私が聴いた曲というくくりで書きました。

今年はGRAPEVINEをたくさん聴いた。
もともと好きだったけど、新しいアルバム『新しい果実』が出ることをきっかけに、Twitter上でもGRAPEVINEについてのつぶやきをよく見かけるようになってまた聴きだした。そのつぶやきの中の一つに「カラオケで歌ってみてその曲について理解する」というような内容のものがあって、カラオケにはいかなかったけど家で歌詞を見ながら「指先」を口ずさんでみた。
そうすると、まず冒頭の歌詞に衝撃を受けた。
「ただ重なった事が 目の前を塗り潰しやがる」
すごく共感した。一つ一つが大した問題なわけじゃなくても、重なったら身動きが取れなくなるようなことってある。でも、それをこんな風に簡潔にしかも歌い出しでいえるのがすごい。
それから歌詞の乗せ方の面白さに気がついた。「何も もっ て~いないわけではない 這っ て~逃げるのもありか」とか、「ここに 突っ 立っ て~るよ」という切り方。歌詞と曲のキメが一緒?というのか。音楽に詳しくないからうまく表現できないけど癖になる。
この曲が入ってるアルバム『From a smalltown』って、「指先」と「棘に毒」っていう鬼の泣きメロ曲にバチバチに渋くてかっこいい「FORGE MASTER」が挟まれてるのやばい。
 
  • 田島ハルコ「未来世紀ギャルニア fea.Marukido, valknee」
この人たちのことはzoomgalsで知った。オールナイトニッポン0おもしろかった。
MVもギラギラだし、3人それぞれの別々のよさがすごい。外見もメンタルもギャルとは程遠いオタクくんな自分でも深夜(早朝)5時に暗い部屋照らさせてもらっていた。全部好きだけど特にvalkeeがすごくて高速になる所めっちゃ上がる。
 
  • Saucy Dog「雀ノ欠伸」
5月の連休にVIVA LA ROCKに行った。コロナ禍のフェスは初めてでどんなもんなんだろう?と思っていたら行く前からかなりやらなければいけないことが多くて手間取った。入場口前で登録しておかなければいけなかった顔写真を慌てて自撮りしたり…
前方のアリーナ席で観られる権利の事前抽選に全部外れたので観客席をダッシュで確保して観なければならず、かばんなどで席をとるのも禁止なので一度確保した席を逃したくなくて他の場所に動けずにいたらトップバッターのSaucy Dogがはじまってしまい、全然知らないのにな~と思いながら観ていたらとてもよくてハマった。スリーピースで演奏がさりげない感じでうまくてとにかく歌がきれいで楽しい気持ちになった。
「雀ノ欠伸」はサビでオレンジのライトが光って綺麗で、あ、ライブの照明ってすごく重要なことなんだと感じた。配信だとなかなかわからないけど、生で見ると照明がライブの空気を作っている感じがした。
ライブの終盤、かっこよくてめっちゃモテそうなボーカルの男の人がMCで「この間つらいことがあって…」とおそらく失恋の傷が癒えていないというような雰囲気の話をしてからつらい恋の歌(「sugar」)を歌い始めたので、フェスで、しかも朝一番でこんな個人的な失恋話をしてもいいんだ!?と面白くなってちょっとファンになった。
 
研修生が歌っている動画を見たのがきっかけで、本家おとめ組の動画を見たら心掴まれた。それから狂ったように愛の園の動画を見まくった。
まずイントロからよくて、ちょっとムーディに始まって「1!2!」と一気にテンションが上がる。歌い出すかと思ったらまだ始まらないでコーラスで、それが終わっていよいよ歌い出すかと思ったら「Touch  My Heart!&Touch Me Please!」とまだコーラス。めちゃめちゃ焦らされたあとに石川梨華さんの音程も声そのものもあまい歌声ではじまってちょっと気が抜けるところが好き。
さくら組」も見たけどやっぱり「おとめ組」だなあと思った。テンポの速い曲が好きだし、歌声もとがった感じの人が多くて聴いていて楽しい。「愛の園」は曲を通してベースがスラップしまくっていてテンションが上がる。
ダンスの振り付けも好きで、特に間奏の小川麻琴さんの気合の入りすぎている首の動きが好き。ミキティーの独特な「話してほしいのよぉぉイ!」みたいな癖の強い歌声、辻ちゃんの「ずっと あこがれてた人と再会した」のシャープな歌声。何より、サビで先輩をも押し退けてセンターに躍り出る黒髪にタイトなワンピースを着た幼い田中れいながかっこよくて、こうなっていきたい。
 
 
  • BiS「割礼GIRL」
大森靖子は今年80曲作ったらしい。その中で一つ選ぶとしたらこれ。
 
大森さんの考えはいつも早い。数年前に言っていたことと似た言葉が今年Twitterでバズっていたのを見た。大森さんの考えは早すぎる。だからこの曲もまだ早いのかもしれない。
割礼GIRLの歌詞はとてもいい。男の子が「本当はいい奴」でも、男同士でコミュニケーションとる時とか女の子と接する時(その女の子へのふるまいが、男同士のコミュニティに対してのアピールみたいになるから、結局それも男同士のコミュニケーションかもしれない)はそのいい奴を隠していわゆる男っぽい振る舞いをする、いい奴出してるとナヨナヨしてるふうに見えちゃうから。でもそれを、「もう隠さなくていいよ」って、女の子側から歌っている。かなり「解放」って感じがする。
「なんだかんだ全部背負ってくれて嬉しいけどさみしいよ」とも言っているように、全部背負ってくれるのは女の子にとっても嬉しいことではあるんだけど、その分自分はなんにも頼られてないの?っていうさみしさも生まれる。男らしさから降りていいよ一緒に生きようっていうメッセージを、攻撃的じゃなくかわいらしさを持ったまま伝えられるというのはすごいことだと思う。ノリのいい曲に乗せて今の時代のことを歌っている。ただ、「せーの、プチっ♥」はついてなくてもなんかヒヤッとする!!
BiSのメンバーがわからなくて誰がどこを歌ってるのかとかは意識してないけど、「ふりふりぃ ここレイワ二ホンすよ 孤軍孤島で鎖国っすか?」のところの歌い方が「孤軍孤島で鎖国すかあ?w」みたいな煽りボイスでめっちゃ上手くて上がる。
これをZOCじゃなくてBiSが歌うっていうのがいい。BiSあんまり知らないけど、WACK系ってお祭りみたいにライブ盛り上がりそうだし、何よりファンに男の人が多いイメージがあるし、ZOCより広い範囲に届きそう。たくさん聴かれてほしい。
 
 
  • 巫まろ(ZOC)「まろまろ浄土」
6月に大森靖子のライブに行っていたく感動し、大森さんの活動を追っていくにはやっぱりZOCの曲も聴かなきゃだめだ!!と少しずつZOCの曲を聴くようになる。ZOCは歌が下手っぽかったりメンバーの素行の悪さにちょっと引いちゃったりしてあまり触れていなかったけど、歌はだんだん上手くなるし素行が悪いメンバーは去るし、ちょうど今いるメンバーだけで歌われている「PvP」というアルバムが出たのでそれにハマっていた。
「まろまろ浄土」は巫まろ(元・福田花音)のソロ曲。
やっぱりめっちゃ歌うまい、テクニックがすごい感じがある。メンバー全員歌う曲とか、歌唱力が発展途上のメンバーのあとで大人げないくらいの歌唱力で歌っていてすごい。
メロディがもう頭に残ってすぐ歌いたくなっちゃうところが大森節。大森さんは歌詞もすごいけどまずメロディメーカーだと思う。
「全員☆刮目」でハンバーグ師匠のごときカーって音が鳴る。ヴィブラスラップというやつ?あと一曲を通してずっとチャカポコした楽しい打楽器の音がして楽しい。ブラスやピアノもめっちゃ楽しい。楽器のこと本当にわからないけど全部がいい。
PvP」は今年たくさん聴いたけど一番聴いたのはまろまろ浄土だった。他にもコロナ禍のことをこんなに音楽にとりいれることができるんだ!?と感動した「CO LO s NA」とかキラキラした曲に乗せて女子の性欲をこれでもかと肯定してる「LiBiDo FUSION」とか、やっぱり「君を注入してかわいくなりたい」ってキラーフレーズすぎるよな~と感じた大名曲「ヒアルロンリーガール」とか、とにかく時代のことと少女の普遍的なことを同時に歌っていて全曲がすごいアルバムだった。ギラギラした曲調?アレンジ?が多くてうるさい街とかを負けない気持ちで歩ける。
 
 
 
大森さんの曲やパフォーマンスが大好きで、でも何より大森さんの考え方や言葉に自分の価値観や感覚を半分くらいつくってもらったなあと感じている。だから、パワハラ音源が流出したときはかなりショックだった。ショックっていうのは悲しいというニュアンスではなくて、ただ衝撃的で他のことが何も考えられない、みたいな感じ。ただ、「何やってんだよ大森!!」みたいには思えなくて、がんばって生きて音楽作ってたら自然とああなっちゃうのは想像がつくし、そういう大森さんだから好きになったし、影響を受けたんだよなあと思った。
大森さんはとにかく人と人とのかかわりを本気でやりたいんだと思っている。Twitterでレスバ(今はさすがにあんまりしてない?)するのも一年に一回くらい誰かとめちゃくちゃ揉めているのもそれゆえだろう。大森靖子のことを最果タヒが書いた『かけがえのないマグマ』の冒頭にも「私は、きみの言葉に、ちゃんと傷つくよ。」と書いてある。どれだけ分母が増えても大森靖子にとっては一対一で、自分と相手は傷つけあうことができるという信念を私は感じる。そうしたやり取りが自分が演者でもあるけどプロデューサーでもあるグループで、演者との間で起こって、でもそれは世間からしたら上下関係もあるし、「パワハラ」という形にしか見えなくなってしまったのかなとわたしは解釈している。
巫まろさんの不倫の件と音声は関係ないんじゃないかなあ…となんとなく思っている。「LiBiDo FUSION」のMV公開の際に、自分の見た目のかわいさだけを押すような言動をしていた巫まろさんと、わざわざYouTuberのそわんわんを出演させて、一方向しかないかわいいの基準を撹乱するようなMVにしたかった大森靖子の考えの対立から起きたことなのではないだろうか。ZOCになってから楽しくない的な話とか私の気持ちも考えろ的なのは分かんないけど、まあ、人と人が密に過ごしてたら嫌なこととかもいっぱいあると思うし…
 
 
  • CircuitCity_「BUBBLE TEA パールミルクティー
「Good Tunes 良い曲 Gravy」というアルバムの2曲目。ジャケットがプラスティックラブじゃん!で聴き始めたけど好みだった。思いっきり昭和のなんかの曲のイントロを使ってる明るいフューチャーファンクで、ネタはわからないけど有名な奴なのかな。こういう、曲のなかの好きな部分だけを取り出して何度もループするような曲は楽しくて好き。
vaporwaveとかfuturefunkとか好きな人ってあらゆる音楽を聴き尽くしてそのあとに手を出したイメージがあるけど、わたしは本当に何もわからず急に興味だけで聴いているので少し恥ずかしい。元ネタになってるシティポップの曲も逆輸入みたいな感じで知る。
 
ミニモニ。の1枚目のアルバム『ミニモニ。ソング大百科1巻』が潤沢な資金でさまざまなジャンルの音楽を取り入れたとてもいいアルバムだと思ったので、高橋愛ちゃんが入ってからの曲が中心の2枚目『ミニモニ。ソングズ2』はどんなもんだろうと思って聴いてみたら、魂が震えるいい曲しか入っていなかった。
大ボリュームのわりにリミックスも多くて、子どもの頃にミニモニ。にハマってこっちしか買ってもらえなかったら親恨んでたと思うけど、両バージョン聴ける大人だからリミックス版も良いと思える。
2曲目、幸せだって言ってるのにとてもそうは聞こえないメロディがかっこいい「CRAZY ABOUT YOU」から、8曲目の「ぎゅっと抱きしめて<FOREVER>」までとてつもなくいい。辻加護ミカ高橋愛みんなの声の良さを楽しむことができる。高橋愛ちゃんの歌ってやっぱりつんくの曲にめっちゃ影響を与えてるんだなと思った。
14曲目「ミニハムずの結婚ソング」は何から何まで良いと思ったら編曲が「LOVEマシーン」「恋のダンスサイト」「ザ☆ピ~ス!」とか黄金期ハロプロダンス☆マンだった。歌ってるとめっちゃ気持ちいいメロディだけど、カラオケで選曲するタイミングはとても難しい。
全部いいから1曲選ぶのは難しいけど、「ミラクルルン グランプリン!」はテンションに度肝を抜かれた。ミニモニ。4人のやりきりっぷりがすごくいい。
 
ミッシェルガンエレファントにハマってみてえ~と思ってあれこれ聴いてこれが一番いい曲だと思った。
激しくて元気いっぱいな曲より、鬱々とした曲にはまるとは思ってもみなかった。
この曲を聴いてエレキギターっていい楽器だとわかった。
この曲を何度も聴くことで慣れてきて他の曲もいいと思えるようになってきたから、来年はもっと聴いていきたい。
 
新しいアルバム『新しい果実』の一曲目。
余白たっぷりの演奏で、聞き流していても気持ちいいけど、いつになく削ぎ落とされた歌詞に意味がいっぱい詰まっている。一聴では意味がよく取れないような言葉のあとに置かれた「新たな普通 何かが狂う 眉ひとつうごかしもせず」が恐ろしい。コロナ禍をよくこんなふうに歌詞にできるなあ…
ライブで聴いた時すごくよかったんですが、最後の「好き嫌いはよせ」とアラフィフの男性5人全員に歌われているという状況がシュールで少し面白くなっちゃった。
アルバムの気づいたら終わっているくらいの長さもちょうどよくて何度も聴いている。まさか”手弁当さんざぶら下げて”とは聞こえない「目覚ましはいつも鳴りやまない」がアルバムいち爽やかで好き、リリックビデオも好き。ぐちゃっとした不気味なギターで不安にさせてからお馴染みの切なげなメロディーが顔を出して安心させる「居眠り」も好き。「最期にして至上の時」はひたすら美しい。「ぬばたま」のラップ的な部分ですごいこと言ってて歌詞カード二度見した。
 
 
  • MAPA「MAPA応援歌」
大森靖子が楽曲プロデュースしている新しいアイドルMAPAの自己紹介ソング。正直、大騒ぎのあとで新しいアイドルなんてもうやめときなよ!!と思っていたけど、とりあえず大森さんの作る曲だしすごく推しているみたいだし聴いてみるか~と思ったらアルバムがすごくよくてやっぱり好き・・・・になってしまった。
2曲目「四天王」はMVも出ていて、それを見ていたら思わず泣いちゃいそうになった。ふざけた、ゆるいテンションの中に本質がある。わたしは四天王になれるかわからないけどだれかに何かをあげられる人でありたい。アルバムは基本的に大森さんがこの夏を経て考えたことが歌詞に、ここまで言っちゃうの!?っていうくらい詰め込まれている。(渋谷系全然わかんないんだけど)大森さんが解釈した渋谷系みたいな感じの「恋は馬鹿のすること」とか、歌謡曲感あるイントロのギターが好きな「BE BY BE BYE」とか、音楽的には大森さんの原体験でもある90年代の雰囲気があるの、かな、と思う…音楽のことは詳しくないから、雰囲気でそう思っているだけですが。
「MAPA応援歌」はMAPAの自己紹介(正確にはメンバーの他己紹介)で、女の子のわちゃわちゃした他己紹介っていう点や明るくて切ない曲っていうところに大森靖子流・女子かしまし物語の感がある。サビの「MAPA YES! MAD PARTY 狂った心 鮮やかにSHOUT!」のところが「WOW WOW WOW 青春 いろいろあるさ」を彷彿させる。大森靖子流でもあるし、2021年流でもあると思う。シンセの感じが懐かしい雰囲気で好~
歌や演奏にこれまでなかったやわらかい感じがあるので、最近の大森靖子、ZOCの曲調が攻撃的で重たすぎて苦手っていう人にも聴いてほしい。
 

モーニング娘。さんの待望の新曲かつ佐藤優樹さんの卒業シングル。音楽のことがわからなさ過ぎてうまくいえないけど、イントロから緊張感、緊迫感があって思春期の焦燥が痛いほど伝わってきて中毒性があって何度も聴いた。ソロや少人数でのパートが多くて、ひとりひとりの声の良さを感じられる。すこーんと突き抜けるような山﨑愛生ちゃんの歌声が一番好きなんだけど、最近はかえでぃーの歌もきれいで好きだし、野中美希さんもすごい歌うまい気がする。もちろん佐藤優樹さんの繊細な表現にもしびれる。

佐藤優樹さんの卒業コンサートを映画館のライビュで観たけど、「よしよししてほしいの」の音がよすぎて映画館サイコー!!!ってなった。よしよししてほしいののトラックが新しい感じがして大音量で聴くとめちゃめちゃテンション上がる。

「Teenage Solution」は佐藤優樹さんありきって感じがするけど、すごく好きな曲だからこの先も歌っていって欲しい。

 

 
アルバム部門
  • ベリキャンディ「アクアティックリゾート」
去年かおととしくらいからずっとはまっているvaporwaveのサブジャンルである、ショッピングモールで流れるBGMやモールの喧騒を音楽に仕立てたmallsoft。タイトルとアートワークを見た瞬間、自分の求めているものが聴ける予感がした。聴いてみたらその予感を上回っていて、一時期毎晩寝ながら聴いていた。
なにかの館内BGMのようなゆるくてチープな音楽に水の音や喧騒が重なって、噴水のあるモールや水族館を思わせる。空港のアナウンスや喧騒を扱ったmallsoftは聴いたことがあったけど、わたしは鉄道が好きなのでその電車バージョンがあったらいいなあと思っていたから、1曲目「リゾートに到着」で駅メロや新幹線のアナウンスをいれているところに胸が高鳴った。静かだけど旅行気分がかき立てられてとても好き。