眩暈の追求

ochanoma_のブログ

2020年に見て特に印象に残っているネタ

  • かが屋「「嫁」という漢字がおかしいと思っている人のオフ会」と、「オフ会の人」
「コントの中の人たち」というサメゾンビの滝田さんがやっているライブで見た。かが屋の二人がパートナー同士(夫婦っぽく見えた)で、インターネット上で「嫁」という漢字は女が家にいると書くからよくないと主張している人たちを演じる。それとその後日談的な話、そのオフ会に、ツイッターを見て男の人(Gパンパンダ星野さん)が共鳴して尋ねてくるコント。
かが屋はホンワカした雰囲気ながら鋭い観察眼で描かれる日常の些細な瞬間…みたいに勝手に思っていたが、その観察眼が鋭すぎてものすごい悪意に振り切れるところを見た。特に後日談の方、インターネットでの発言に共感していざ発言者に会った時のイメージとの違い、星野さんの立場にものすごく感情移入して、自分もそういう体験があったかのようにぞくぞくした。やさしいっぽく見えてかが屋はまったく優しくない。二人が見たものをあったかく仕立てればそうなるだけで、冷たく仕上げたらこんなにいじわるになるんだ…と思わされた。最後、星野さんがかが屋演じる夫婦のどちらか(失念)に冷酷なせりふを浴びせられてコントが終わったのだが、あのかが屋が…という衝撃にえぐられてかなり興奮した。
星野さんの体型とか雰囲気が、「思想に共鳴してオフ会に来た人」そのもので適役だった。星野さんをエキストラ役だと勘違いしていたってかが屋が言ってた気がするから、当て書きしてたのかなあ。
 
キングオブコント決勝2本目。
かたまりの女装がきれいでした。きれいな顔の作りを活かしたメイク。チークの重要さを学んだ。
このコントは観ていてものすごく幸せなのにおかしくて笑える、すごい。もぐらのおじさんのキャラクターでも笑っちゃうんだけど、恋が叶った場面で笑えるってどういうことなんだろう?恋の尊さを伝えたかったとか言ってたけど、本当に伝わって来てしばらくじんわり残りました。抒情性もあって大きな笑いもあって、コントの大会の優勝にふさわしいんじゃないか…?と素人のくせに本気で思った。
 
  • キュウ「ヨーグルトの話」
6月のタイタンライブで。自粛で1回間が空いた後なのに、以前キュウを見たときより猛烈におもしろくなってて「キュウすごすぎる…!」と感動した。なんでなんだ。すごすぎる。キュウはタイタンシネマライブで見るばっかりで生でも見たいとは思いつつ、映画館だと表情がはっきり見えて面白いです。
M‐1の敗者復活でやってから、「ゴリラであいうえお作文すんなよ!」「ヨーグルトの話聞けよ!」がミームっぽくなってて良い。
 
配信の「話をする人と話を聞く人」で見た。今年は西でやるライブも配信で見れて嬉しいなーと思いながら、よっぽど好きじゃないと買う気にならなかったし、小さい画面で見てもなかなか大爆笑できない。でもこのライブは絶対面白いから買ったし、このネタは画面越しにすごく笑った。
感想を書きたいけど面白かったこと以外かなり忘れちゃったな…もう一回見たいなあ…デルマパンゲは発想がキモくてすごい好き。頭の中で迫田さんの理論に必死でついて行っている。「ひとつもついて来ん好かん!」「うるさい!」で終わるのも好き。広木さんのツイートで「今日こそ言い負かします」みたいな感じの文章を見て、この二人の漫才は「本気の論争」なんだ!と思って面白かった。
 
MXテレビパーパーのネタが流れると見かけて録画したときに見た。モグライダーはその時、動画はすこし見たことあるくらいだったけど、これ見てすぐ出るライブ予約した。
とにかく笑い転げた。家でネタ見てこんな笑うことある?ってくらい。頬が痛くなった、お母さんも頭が痛いって言うくらい笑ってた。
見るからにできなさそうなともしげさんのできなさ加減も、芝さんの即座のツッコミも最高。
その場の空気と一緒に作りあげていくようなネタだから、M‐1とか向いてないのかなあ?と思ったけど予選の5ひろみのネタもかなりおもしろかった。
 
  • 永野「少年野球を見ているおじさんが、ペットボトルを飲んで死ぬところ」
9月にサンシャイン劇場で行われたグレープカンパニーライブで。
ネタの名前を言われた時点でクソ笑いました。本当におじさんが少年野球を見ていて、ペットボトルを飲んで死ぬんですけど、それだけ書いたらわからないけど、本当にものすごい笑った…
そのあとにやってた「ブリッジだけで売れたピン芸人」も面白かった。おじいちゃん♪おばあちゃん♪長生きしてね♪からの怒涛の畳みかけ!
後で「少年野球~」は永野自身「滑った」と言っていたんだけど全然そんなことなかった。私の周りだけ受けてたのかな?ランジャタイの時も、広い劇場で局所的にぽつぽつと(自分含め)ウケてるのが確実に確認出来て、ア、好みがわかれるってこういうことなんだと身をもって分かった。
後日談として「少年野球~」のネタは袖で国崎さんと永野さんと(ともう一人くらい誰か?)で話してて、「これやってくださいよ」と言われてやったネタだったことを知ってなんか嬉しかった。
 
M‐1決勝最終ラウンドで。
マヂカルラブリーとの出会いはベタにM‐12017で、そのころはこんなにお笑いにはまるとも思わず何気なくテレビでM‐1を観ていた。まったく笑いどころがわからず、家族も誰も笑っておらず、なんだこいつ…と思ったその夜、ツイッターで「野田の自己紹介が面白い」という書き込みを見て、10分くらいある野田の自己紹介まとめ動画を見たら面白くて気に入ったという経緯です。そのあとしばらくハマってyoutubeとかニコニコ動画に上がってる漫才を見てた。初見では面白さがわからなくても、そのあと面白いと感じられるようになることもあるという典型的な例…
マヂラブの漫才は村上が怒りすぎてこわいって思う時があるんですが、吊革は野田クリの圧倒的な世界に飲み込まれて村上はそこに状況説明とか補足とかを挟んでくる感じで好きなマヂラブだと思いました。おしっこを顔で全浴びしちゃうのも車内販売ワゴンも面白いし特に天井におしつけられるのとGがすごいくだりでゲラゲラ笑っちゃった。
今年のM-1は気持ちとしては錦鯉に全ベットしてたので振るわなくて呆然としてしまったけど、マヂラブがめちゃくちゃ面白いと思うネタで優勝して気持ちが持ち直した。もちろんおいでやすこがも見取り図もすごく面白いけど、この優勝は自分の好きなお笑いが世界に認められたという気持ち。全然いろいろお笑い見てるわけじゃないし好きになって日も浅いけど、こういうのが好きなこととこういうのは全員が好きなわけではないことはわかってたから嬉しかった。
あと最近お笑いの話するようになった友だちが、「マヂカルラブリー優勝するなら怪奇とかランジャタイだって…」とTwitterのオタクみたいになってて良かった。
 
 
12/26の「検索ちゃんネタ祭り」で。
年末の爆笑問題と言ったら今年を総括するような時事漫才。そう思って聞き始めたら昔の少女漫画あるあるを延々語っていていつ時事ネタに入るんだ…?と不思議に思い、だんだんとそれが主人公よしみでもヒーローの星空くんでもなく「明らかに脇役な女にフォーカス」されていき、最後はSFのような世界に連れていかれる15分のすごい漫才だった。夢中になって見終わってツイッターを見たら、ランジャタイの漫才を連想したという言葉がいくつかあって、今ランジャタイに夢中すぎてあたおかの自分だけがそう感じたのかと思ったので少しほっとした。「さよならポンポン」とかのしつこさが売りのネタというよりは、「T.N.ゴン Nの秘密」とか「トラックの世界」とか(あと、パッと出てこないけど…)そういう奇想天外なストーリー性あるときのランジャタイの系譜。太田さんが汗かきながら一生懸命動いて話してやっているところも国ちゃんみたいだった。
笑って夢中にさせられてどっかに連れていかれるみたいな、こういう漫才が好きだなーって思った。かねてから思っていた「爆笑問題が今若手でライブとかよく出てたら絶対追っかけてた」という気持ちが確かなものになった。
 
  • ランジャタイ「バスケットボール」
2月に、至極の10分ネタライブで。このライブまた行きたい~
このライブどの組も本当におもしろかった。ゾフィーの熱量120%な謝罪会見は、上田さんはきっと舞台の上で死ぬんだと思わされたし、ランジャタイがネタパレでのエピソードを話して大爆笑を取った後にすっと出てきた囲碁将棋が淡々としたトーンでそれに負けないくらいおもしろくてウケていたのもすごかった。その中でも特に印象深いのがこのネタ、国崎さんが中学の部活でやっていたバスケットボールの最後の試合を再現する話。
このネタもたぶん、ストーリー性ある方に分類されるやつだと思います。「まだいる」というネタでも思ったけれど、国崎さんは時々自分の語りで自分が体験した出来事を漫才として組み立てなおしてアナザーストーリーを作る、みたいなネタをやる気がしていて、そうやって自分に降りかかった大きな出来事を受け入れているのかもしれないと思ってしまう。その行為は国崎さんにしかできないことでとても尊いです。
 
  • ランジャタイ「マーピーブギウギバンド」
ケープロクラウンヒットパレード内でのソロライブで。
ランジャタイはネタの内容うんぬんより、「おかしくなりそうなくらい笑う」という体験ごと好きだから、あんまり内容については書けない。ソロライブは最初の国崎さんピンネタ「USA BOYボ~イBOY」から最後のトンツカタン森本とのコラボ「くそったれ人生にさよならポンポン」までずーーーーーーーーーーっと楽しかった。特に一個挙げるならマーピーブギウギバンドで、ブドウ園のぶどうをかき分けて進んだ先のマーピーとの永遠に続くかと思うコールアンドレスポンスで、もう死ぬというくらい笑った。永遠に続いてほしい。
しかしネタ合わせ中のこのぶどうをかき分ける動作で国ちゃんがぎっくり背中になったというから、まったくランジャタイは永遠じゃないのだなあとさびしくなった。おじいちゃんになってもこんな感じだったらもっと面白いかもしれないし、身体をメンテナンスしながら末永く続けてほしい。
 
思いつくままに並べたら漫才びいきになってしまった。来年はもっとコントにも触れたいです。予定があったところでいえば、3月のゾフィーの単独が観に行けていれば、もしかしたらすごいコントが見られていたかもしれないと思うと無念です。あと、ネタって言うのじゃないけどYes!アキトさんはテレビに出るたびくぎ付けになった。先月行った新ギャグ100本ライブもものすごく楽しかった!
あと有ジェネでラ・サプリメント・ビバさんを見て衝撃を受けたのと、フランスピアノは見たやつ全部面白かったのと、ガクヅケのパーテーションのネタは本当に本当に大笑いしました。来年はもっといろいろ見れるようにしたい。